1万年前の記憶を1万年後の人類に託すため、ケロッピー前田と大島托は縄文文様にタトゥーの潜像を見る。

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だから民族学とか人類学の人も、ある時期まではタトゥーなのかペイントなのか、区別しないで議論していたんですよ。分からないから。

それくらい議論が進んでいなかった分野なんですね、タトゥーって。

『クレイジートリップ』にも掲載しましたけど、2014年から2015年にかけてパリのケ・ブランリ美術館で1年半ものあいだ開催された大規模な展覧会があって。その名も『TATOUEURS, TATOUES: 彫師たちと彫られたもの』で、まさにタトゥーをテーマにしたものだった。

つまりタトゥーをひとつのカルチャーと捉えて、そこから人類の歴史を総覧しようというもの。これがなにを意味するかというと、かつてアカデミックな人たちはボディペイントとタトゥーを区別しないで議論していたのが、世界的にタトゥーが流行して実際にタトゥーをした人たちが増えてきたことから、タトゥーとペイントは全く違うんだと意識されるようになってきたということ。

ケ・ブランリ美術館での大規模なタトゥー展示は、そうしたアカデミック側の変化を象徴する分水嶺になったんです。

『縄文族 JOMON TRIBE』© TAKU OSHIMA & RYOICHI KEROPPY MAEDA

『縄文族 JOMON TRIBE』© TAKU OSHIMA & RYOICHI KEROPPY MAEDA

そんな展覧会があったとは……!

とにかくアカデミックな分野から積極的な人たちが出始めているのは確かです。

『クレイジートリップ』にもインタビュー記事を掲載した、ラース・クルタクさんという人がいて。カレは米国スミソニアン博物館の研究員でもある人類学者なんですけど、色んな先住民族のところを訪れて、現地の人たちと一緒に裸で暮らしたり、自分の身体にもタトゥーを彫ったりしていて。ディスカバリーチャンネルの番組『タトゥー・ハンター』でも体験レポーターを務めてます。


(動画キャプ)ラースさんが体験レポーターを務める『タトゥー・ハンター』

もう一人のキーパーソンは、ロス在住のフィリピン系アメリカ人彫師、エレ・マナ・フェスティンさん。彼はフィリピンの部族タトゥーを復興させようと頑張っていて。

というのも、彼のように貧しい祖国フィリピンから欧米へ移住した2世、3世がたくさんいるんですけど、彼らの場合、自国の歴史や文化に関する知識が一旦ゼロになってしまっている。そこでタトゥーを自分たちの身体に残すことから、自分たちのルーツに立ち戻るためのプロジェクトとして、エレさんは部族タトゥーを復活させた。近年では成功例のひとつと言えますね。

失われたタトゥーの復興プロジェクトという意味では、僕らの縄文タトゥーもエレの事例に学んでいます。

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